- ストレスを感じると、体内ではコルチゾールやアドレナリンといったホルモンが分泌されます。これらは通常のサーカディアンリズムを乱し、「疲れているのに神経が高ぶっている」感覚を引き起こすことがあります。
- ストレスは、不眠や悪夢、夜間に頻繁に目覚めてしまうといった睡眠の乱れと関連付けられています。
- 睡眠とストレスは相互に影響し合う関係にあります。つまり、ストレスを減らせば睡眠の質が良くなり、睡眠の質が良くなればストレスも軽減されます。
夜、寝返りばかりしていませんか?頭の中も、考えがぐるぐると巡っているかもしれません。明日の会議のことや、終わりの見えないToDoリストのことを心配して、ストレスが睡眠に影響することを実感しているかもしれません。実際、ある調査では、43パーセントの人が「ストレスが原因で夜眠れなかった」と報告しています。
睡眠を改善するには、問題の根本に対処することが重要です。ストレスは睡眠不足を招き、睡眠不足はストレスを悪化させます。すでにこの悪循環に陥っているとしても、ストレスを上手にコントロールして睡眠を改善する方法はあります。ここでは、睡眠とストレスの関係について、知っておきたいポイントをご紹介します。
睡眠とストレスの関係
睡眠とストレスは相互に影響し合う関係にあります。ストレスを感じると、体と脳では生理学的および生化学的な変化が起こります。例えば、コルチゾールやアドレナリンのようなホルモンは、体の闘争・逃走反応の一環として放出されます。これにより、自然なサーカディアンリズムが乱れることがあります。
「日が沈む頃になるとメラトニンの分泌が始まり、コルチゾール(ストレスホルモン)は低下する、という傾向があります。問題が発生するのは、強いストレスを感じているときです」と、 Michael J. Breus博士(「睡眠ドクター」として知られる心理学者)は述べます。ストレスがかかると、夜になってもコルチゾールが脳内に分泌され続け、体が闘争・逃走状態にとどまってしまいます。そのため、深い睡眠に入りにくくなります。その結果、睡眠不足に陥り、悪循環が生まれます。睡眠不足はストレスを高め、その逆もまた然りです。
Breus博士は、「体が本来必要としている時間よりも長く起きていると、交感神経系の反応として『分泌される』ホルモンであるコルチゾールが体内で生成される」と説明しています。
ストレス状態にあることは、寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなったり、回復を促す深い睡眠を十分にとれなくなったりします。また、通常の睡眠段階の進行を妨げ、特にレム睡眠に影響が及びます。
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レム睡眠の役割
レム(急速眼球運動)睡眠は、眠りについてから約90分後に起こります。睡眠のこの段階では、脳は活動しています。実際、レム睡眠中の脳活動は、覚醒時に近い状態です。そのため、この段階で夢を多く見るのも、納得できるでしょう。レム睡眠は、感情を整理したり、日中に経験したストレスの多い出来事を処理したりするうえで重要です。
研究では、日中に中程度のストレスを受けると、夜間に得るレム睡眠の量が増加する可能性があることが分かっています。これは適応反応であると考えられており、脳が感情やストレスの多い経験を処理するための働きだとされています。しかし、Breus博士によると、日中のある行動が、レム睡眠の量に影響を与える可能性があるとのこと。
「例えば、夜にアルコールを飲んだ、あるいは日中にカフェインを摂取したとします。このような行動から、レム睡眠の量は減ってしまいます。そのため、十分なレム睡眠がとれず、問題をうまく処理できなくなることがあります。翌朝目覚めても、その問題がまだ頭の中に残っているかもしれません」とBreus博士は説明します。
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ストレスが睡眠に与える5つの影響
1. 不眠のリスクを高める
Breus博士は、「不眠の最大の原因の一つはストレスです。つまり、両者は密接な関係にあります。医薬品、アルコール、大麻などを使って物理的に意識を失わせるような手段をとらない限り、ストレスほど睡眠に強い影響を与えるものはほぼありません。これが原因で、眠る必要がある時間になってもなかなか眠りにつけなくなります」と述べています。
2. 悪夢の原因になり得る
「チーズを食べると悪夢を見る」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、実際に起きていることはもっと単純です。ストレスは、悪夢と呼ばれる鮮明で不快な夢につながることがあります。興味深いことに、レム睡眠と感情処理の役割から、悪夢はストレスに対処するための一種のメカニズムと考えられています。
3. 寝つきが悪くなる
コルチゾールとアドレナリンにより、脳が覚醒状態に保たれます。身体的には疲れていても、頭の中では思考が駆け巡り、リラックスして眠りにつくのが難しくなります。
| メンバー向けヒント:Ouraアプリでは、睡眠コントリビューターの一つとして入眠潜時が表示されます。これは、眠りにつくまでに要する時間を示します。ベッドの中で覚醒時間が長くなると、入眠潜時が長くなり、睡眠効率や全体的な睡眠スコアが低下します。 |
詳細を見る:早く眠りにつき、入眠潜時を改善する方法
4. 睡眠全体が断片化される
最適な睡眠の質には、睡眠ステージをスムーズに移行することが大切です。睡眠の断片化とは、睡眠段階の途中で夜中に何度も目が覚めてしまい、睡眠サイクルが途切れてしまう状態を指します。
| メンバー向けヒント:睡眠が断片的なときは、Ouraのデータに、深い睡眠やレム睡眠の時間が少ない、あるいは夜中に何度も目が覚める(睡眠データ上で白い線で表示されます)という形で反映されます。 |
5. 全体的な睡眠時間が短くなる可能性
悪夢や入眠潜時の増加、夜中に何度も目が覚めることは、いずれも睡眠時間の短縮につながります。成人は毎晩7〜9時間の睡眠をとるべきとされています。これよりも短い睡眠が続くと、ストレスがさらに悪化してしまいます。
ストレスを和らげて、良質な睡眠を
ストレスの多い時期でも睡眠の質を高めるために、Breus博士は以下のことを提案しています。
- ストレスを管理する:自分に合った方法を見つけることは大切ですが、科学的根拠に基づいたストレス管理テクニックから始めると良いでしょう。
メンバー向けヒント:Ouraの 探索コンテンツには、ストレスを和らげ、リラックスして眠りにつくための瞑想や呼吸法のエクササイズが豊富に用意されています。各セッション後には、バイオフィードバックで体の反応を確認することもできます。 - 午後2時以降はカフェインの摂取を控える:カフェインが血流から完全に排出されるまでには、8〜10時間かかります。午後にコーヒーを飲むときはこれを意識しましょう。できれば、もう少し早い時間帯に切り上げるのがおすすめです。
- アルコールを避ける:アルコール飲料は2杯までに抑え、就寝時刻の3時間前は飲酒を控えましょう。また、飲酒するときは、1時間につきコップ2杯の水を飲むようにしましょう。Breus博士は、「一般的な成人の体では、アルコール1杯分を処理するのに約1時間かかります。そのため、重要なのは飲む量と、就寝までどれくらい時間を空けるかです」と説明しています。また、アルコールには利尿作用があるため、アルコールの代わりに水を飲むことで、睡眠に影響が及ぶ可能性のある脱水状態を防ぐことができます。
- 日中の早い時間に運動する:就寝時刻前4時間以内の運動は避けるとよいでしょう。運動によって深部体温が高い状態になるためです。「涼しい環境の方がよく眠れるため、深部体温を低めにしておくことを覚えておいてください」とBreus博士は言います。
- 起床時間を一定に保つ:ご自身のクロノタイプに基づいて、週末を含め、毎日同じ時間に起床するようにしましょう。クロノタイプとは、 体が自然に眠りにつきやすい時間帯のことです。
- 起床後すぐに行うとよい3つの行動:
- 深呼吸を15回行う(呼吸器系を活性化させるのに役立ちます)。
- 約450mLの水を飲む(一晩で、呼吸に含まれる水分によって約1Lの水分が失われます)。
- 15分間、直射日光を浴びる(日光が目にあるメラノプシンという細胞に届くと、脳内でのメラトニンの分泌が抑えられ、頭のぼんやり感が和らぎます)。




