• 体は、サーカディアンリズムと睡眠圧という2つの重要なシステムに基づいて、睡眠のタイミングを知っています。
  • 本質的に、あなたの体内時計であるサーカディアンリズムは、「覚醒しているべき時間」か「睡眠の時間」かを脳に伝えます。スクリーンタイムやカフェインなどの生活習慣は、サーカディアンリズムのずれを引き起こし、睡眠の質を低下させる可能性があります。
  • Ouraで睡眠をトラッキングすると、ご自身のサーカディアンリズムと生活のリズムが一致しているか、各睡眠段階にどれくらいの時間が費やされているかなど、さまざまなことがわかります。

睡眠中に脳や体で何が起きているのか、ご存知ですか?さあ、ここで解明していきましょう。体が睡眠を調節する方法、その背後にあるメカニズム、それらがずれた場合に何が起こるのかについて、詳しく学びましょう。

睡眠中、体内では何が行われているのか?

一晩の睡眠は、異なる睡眠段階で構成されており、それぞれが脳の活動、眼球運動、生理的変化、ホルモンの変化といった独自のパターンで特徴づけられています

4つの睡眠段階
覚醒時間:正確には覚醒していますが、睡眠を促す変化が起こっている。

  • 体はリラックスし始め、心拍数と呼吸が遅くなる。
  • 筋肉の活動が低下し、「入眠時ミオクローヌス」と呼ばれる突然の筋収縮が起こることがある。
浅い睡眠:

  • 眼球運動は停止し、脳の活動には睡眠紡錘波(脳波の急速な活動)とK複合波(大きくゆっくりとした波)の特徴が見られる。
  • 体表温と心拍数は引き続き低下。
  • 周囲への反応が鈍くなる。
  • 神経伝達物質のアセチルコリンとセロトニンが作用し、覚醒から睡眠への移行が促進される。
深い睡眠:

  • 脳の活動が変化し、低振幅および高振幅のデルタ脳波が現れる。
  • 筋肉への血流の増加、ホルモンの分泌(成長ホルモンを含む)、細胞の修復が起こる。
  • 成長ホルモンとプロラクチンが分泌され、体の成長、組織の修復、免疫系の機能を助ける。
レム睡眠:

  • 急速な眼球運動、 鮮明な夢、活発な脳活動が、この睡眠段階の特徴。
  • 脳は非常に活発だが、随意筋の活動はほとんど見られず、REMアトニーと呼ばれる一時的な麻痺の状態になる。
  • 心拍数と呼吸は不規則になり、覚醒状態に似ている。
  • レム睡眠中は、アセチルコリン、コルチゾール(覚醒状態に比べて程度は低い)、ノルエピネフリンが活発になる。

詳細を見る:4つの睡眠段階とは

体はどうやって睡眠を取るべき時間を知るのか?

単純に、体がエネルギーを消耗するから睡眠が発生すると思われるかもしれません。部分的には真実ですが、実際にはもっと複雑です。体が睡眠の時間を知る主な方法は2つあります。

1. 睡眠圧

体の睡眠欲求が徐々に高まることを指します。起床時に砂時計をひっくり返すことを想像してください。下に溜まっていく砂の量が、睡眠への欲求(睡眠圧)です。砂が上から下にすべて落ちると、体は睡眠の時間だと認識します。 

アデノシンは、眠気を促進する神経伝達物質で、睡眠の恒常性調節因子として機能します。日中に増加し、夜間にピークに達し、就寝時刻に向かうにつれて疲れを感じさせるように作用します。このサイクルは、サーカディアンリズムと同様に、24時間ごとに繰り返されます。

2. サーカディアンリズム

体内には、多くの臓器や細胞に存在する独立した内部時計のネットワークがあり、これらはまとめてサーカディアンリズムシステムと呼ばれています。光や食物の摂取などの外部から来る合図、およびアデノシン濃度などの内部から来る合図に基づいて、これらの独立した時計が睡眠の時間になると脳に報告してくれます。

詳細を見る:サーカディアンリズムと就寝時刻

サーカディアンリズムの仕組み

この「睡眠CEO」は、脳の奥深くの中枢にいます。体内の時計ネットワークからフィードバックを受け、システムを睡眠のためにオフラインにしても安全かどうかを判断します。

このフィードバックシステムは、時計(時間を計るもの)と合図(時間を知らせるもの)で構成されています。合図は、環境(日光など)や体(胃に食べ物が入る、など)から生じます。

合図は、体内時計に、睡眠に入るべきか、覚醒を続けるかを指示します。マネージャーの役割をする「時計」は脳内にあり、視交叉上核(SCN)とも呼ばれます。

SCNの役割は、すべての体内時計を同じスケジュールで動かすように調整し、最終的な「1日の報告書」をまとめて睡眠CEOが確認できるようにすることです。SCNは、光などの環境からの合図をもとに時間を把握しています。明るさは体を起こし、暗さは眠くさせます。

それぞれの二次的な体内時計(末梢時計)も、メッセージを送受信しています。たとえば、胃が大量の食物摂取などの合図を受け取ると、SCNや他の二次的な体内時計にメモを送信し、覚醒状態を維持するよう働きかけます。

SCNは、すべての二次的な体内時計を同じスケジュールに保とうと絶えず努めています。しかし、あなたの日々は変化します。その結果、体内時計は異なる時間に合図を受け取り、ずれが生じるのです(これについては後で詳しく説明します)。

メンバーへのアドバイス: Ouraのメンバーは、Ouraを90日間以上使用すると、理想的な就寝時刻とクロノタイプがわかります。これを利用してサーカディアンリズムに沿って就寝するよう調整でき、睡眠の質を高めるのに役立ちます。

睡眠と覚醒のサイクル: 

理想的には、「睡眠の時間」を知らせる内部的および外部的な合図を受け、その結果として睡眠につくのが望ましい形です。しかし、いつもそのようにうまくいくとは限りません。

皆さんの体内時計はそれぞれ、今が覚醒時間か睡眠時間かについて独自の「報告書」があります。すべての時計が一致している場合、脳の仕事は簡単になるので睡眠と覚醒のパターンが明確になります。報告書がばらばらだと、脳の睡眠センターは、覚醒または睡眠のタイミングを決定するのに苦労します。

たとえば、SCNと胃は、睡眠と覚醒のはっきりしたパターン(つまり、予想される時間帯の光の刺激や食事)を報告していたとしても、ストレスのある夜の会議があった日など生活リズムが変わると、副腎系にある第2の体内時計が働いて睡眠を遅らせてしまうことがあります。結果的に、推奨就寝時刻である午後11時ではなく、午前2時にしか眠りにつくことができません。これがいわゆる「サーカディアンリズムのずれ」を起こすのです。

 

サーカディアンリズムのずれの原因

サーカディアンリズムのずれは、さまざまな要因によって引き起こされます。たとえば、次のような要因です。

メンバーへのアドバイス:こういった習慣をOuraアプリのタグ機能を使ってタグ付けすると、それぞれの習慣が睡眠の質にどのように影響するか、詳しく知ることができます。

サーカディアンリズムのずれを教えてくれる5つのサイン

1. 夜間に安静時心拍数が安定するまでに時間がかかる。

体内時計と一致していれば、安静時心拍数は睡眠時間の真ん中あたりで最も低くなります。体内時計がずれている場合、最も低い安静時心拍数は夜遅くまで現れない可能性があります。Ouraでは、これを回復指数として表しています。

2. 睡眠の前半で体表温が高くなる。

体内時計が一致している場合、体表温は就寝直前に低下します。ずれていると、体表温が下がるまでに時間がかかったり、変動したりします。

3. 寝つきが悪い。 

就寝時刻の後は、比較的すぐに眠りにつけるはずです。サーカディアンリズムがずれている場合は、入眠にかかる時間が延びる可能性があります(Ouraでは、「入眠潜時」として表示されます)。 

一般的に、入眠潜時が5分未満の場合は過度の疲労がある兆候です。20分以上など長い場合はサーカディアンリズムのずれがあるかもしれません。

詳しく見る:早く眠りにつき、入眠潜時を改善する方法

4.夜中に頻繁に目が覚める。

サーカディアンリズムのずれにより、夜中に頻繁に目が覚め、睡眠の全体的な連続性に影響を及ぼす可能性があります。これはOuraのデータにも反映され、睡眠効率安眠度の指標が低くなります。

5. 起床時にだるい(睡眠慣性)。

睡眠と覚醒のパターンがサーカディアンリズムと調和していれば、覚醒感とリフレッシュされたエネルギーとともに目覚めるはずです。サーカディアンリズムがずれている場合は、目覚めたときにぼんやりとした眠気や疲労感を伴う睡眠慣性を感じることがあります。

詳細を見る:起床で疲れを感じる原因と、朝の目覚めを良くする方法

睡眠を改善するために、睡眠のサイエンスを活用しましょう

では、ここまでの知識をどのように活用すればよいでしょうか?自分でコントロールできない合図(太陽など)もありますが、就寝時刻であることをサーカディアンリズムに伝える明確な睡眠の合図を取り入れて夜のルーティンを作ることができます。

Ouraで睡眠を追跡することで、睡眠のサイエンスを活用し、睡眠を促す夜のルーティンを作り、サーカディアンリズムを整えるのに役立ちます。毎日、Ouraアプリで詳細な睡眠レポートを受け取れ、寝つくまでの時間(入眠潜時)や睡眠効率などの具体的な要因、そして各睡眠段階ごとにどれくらい眠れたかがわかります。

より良い睡眠は科学から始まります。手始めに、以下の基本的なベストプラクティスをお試しください。

  • 就寝の少なくとも1時間前からブルーライトを避けましょう
  • 食事:夜の食事は軽めにし、就寝の数時間前からカフェインやアルコールを控えるようにしましょう。
  • アクティビティ:就寝時刻前は激しい運動は避けましょう。
  • 覚醒:就寝直前には、メールやソーシャルメディアなどのストレス要因を避けましょう。
  • 体表温:部屋を涼しくしたり、熱いシャワーを浴びたりして(熱いシャワーごは自ずと体の体温が下がっていきます)、体がクールダウンするようにしましょう。

詳細を見る:Oura Ringによる睡眠追跡の仕組み

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