- 深夜の食事は、自然なサーカディアンリズムを妨げるため、入眠しにくくなったり、熟睡できなかったりすることがあります。これは、食べ物は消化が必要なため、その作用がホルモンや代謝の活性に影響を与えるために起こります。
- 「就寝前にちょっとおやつ」と聞くと心が動いてしまうかもしれませんが、しっかり眠りたい場合は、控えた方が良いです。
- Ouraアプリでは、「遅い食事」とタグ付けすると、深夜の食事が睡眠の質にどのように影響するかが見えてきます。
夜中に軽食?ちょっと待ってください。夜遅い時間に食事をしてから寝るとどうなるのか気になっている方は、この記事をぜひお読みください。結論を先に述べると、深夜の食事は睡眠に悪影響を及ぼします。研究により、深夜の軽食は、入眠潜時の増加(すなわち、眠りにつくまでに時間がかかる)、睡眠効率の低下、さらにはレム睡眠および深い睡眠の量に関連していることが示されています。
深夜の食事は睡眠に影響するか?
影響します。研究にて、深夜に食事をすると消化が妨げられ、体温が上昇し、自然な睡眠サイクルが阻まれることがわかっています。そのため翌日に十分に休息できていないと感じられます。
夜間を通じて、私たちはさまざまな睡眠段階を経ます。休息眼球運動(レム)睡眠と非休息眼球運動(ノンレム)睡眠があり、ノンレム睡眠はさらに複数の段階に分かれ、その中には深い睡眠も含まれます。研究にて、深夜の食事は睡眠段階の自然な進行を妨げ、朝に疲労感やだるさを感じる原因となることが示されています。
| メンバーへのアドバイス:Ouraのメンバーは、深夜に食事をした時にタグ機能を用いて記録すると、それが睡眠スコアにどのように影響するかを時間をかけて分析することができます。夜遅くに食事をすると睡眠の質が低下し、睡眠スコアとコンディションスコアが低下する結果につながると、多くのメンバーが報告しています。 |
食事をすると、消化器系が作動し、栄養素を分解・処理する準備を整えます。このプロセスにはエネルギーと代謝活動が必要です。そのため、夜遅くに食事をすると、就寝後もずっと消化器系は「目覚めた」状態となり、働き続けることになります。
消化器系は活発に働き、消化酵素を放出し、栄養素の吸収を促進するために消化管への血流を増加させます。これらの生理反応により体温と代謝率が上昇し、自然な睡眠への移行を妨げる覚醒と活性の状態が引き起こされます。夜遅くに重い食事や脂肪分の多い食事をすると、消化過程が引き延ばされ、その結果として、体が十分に休息できる状態へ移行するのがさらに遅れます。
これは研究でも表れています。2020年に行われた研究によると、就寝前の3時間以内に食事をした参加者に、夜間の覚醒が増加し、睡眠が乱れ、質が低下することがわかりました。これは、体格指数などの交絡因子を調整した上で、夜の軽食が原因であることが明らかになりました。
就寝時刻に近い時間に食事をすると何が起るのか?
多くの健康に関するテーマと同様、これも「何でも適度に」の考え方に合致するトピックです。まとめると、時々深夜に食事することで、健康に害が及ぶことはありません。しかし、これが習慣化している場合は、サーカディアンリズムが乱れる可能性があります。
サーカディアンリズムとは、体内時計です。光を浴びることや食事のタイミングなど、外部的な切っ掛けから影響を受けます。夜遅くに食事をすると、体が断食状態になることが望ましい時間に、ホルモンの分泌に影響が及びます。具体的には、遅い時間に食事をすると、メラトニン分泌の開始が遅れ、眠気を感じにくくなります。
| メンバーへのアドバイス:OuraのメンバーのNicole Vさんは、Ouraを利用し始めたことで、夜遅くの食事が自分の睡眠にどのような影響を及ぼすかを実感しました。「遅い時間に食事をすると、心拍数が上昇し、コンディションスコア全体にも悪影響を及ぼすことに気づきました。食生活の乱れが、体に過度な負担をかけていたのです」と彼女は語ります。「悪い習慣の影響が実際のデータで確認できたことで、もっとバランスの良い生活にするよう心がけるモチベーションが得られました。」 |
就寝前に何を食べるかも重要です。 夜遅くに炭水化物が豊富な食事をすると、真夜中に血糖値の急落が起こり、コルチゾールレベルが上昇して頻繁に目が覚めることがあります。 カロリーが高く重い食事は入眠潜時に時間がかかる原因になります。また、ナトリウムを多く含む食事は眠りが浅くなることが増え、睡眠時無呼吸症候群を悪化させる可能性があります。
より良い睡眠のための食事のヒント
- 就寝時刻に近い食事は避ける:お腹が一杯になるほどの食事をすると、就寝前に代謝が活性化し、安静時心拍数が上昇し、最終的には睡眠に悪影響を及ぼします。就寝時刻の3時間前には、炭水化物の多い重い食事を避けて、体が消化する時間を確保できるようにしましょう。
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メンバーへのアドバイス:OuraのMeals(食事)機能を活用して、自分の選択した食事がエネルギー補給にどれだけ役立っているかを探りましょう。衝動的な食欲やエネルギー不足に負けず、栄養バランスの乱れを見極め、目標に向かって軌道を調整する助けとなります。 |
- 正午以降はカフェインを控える:午後の遅い時間にいただく1杯のコーヒーの影響は、思っているよりもずっと長く続くことがあります。カフェインにより睡眠が不安定になったり、眠りにつきにくくなったりすることがあります。炭酸飲料、お茶、チョコレートさえも、影響が現れる量のカフェインを含んでいることがあるので注意しましょう。
- 寝酒を控える:アルコールは就寝前にリラックスするのに役立つかもしれませんが、飲みすぎるととても貴重なレム睡眠を奪ってしまうことがあります。アルコールの効果が切れると、夜中に目が覚めやすくなり、全体的に眠りが浅くなる可能性が高まります。
- 健康的な夜食を選ぶ:空腹を感じたときは、体のサインを無理に無視する必要はありません。バランスの良いマクロ栄養素を含む、夜向けの健康的な軽食を選びましょう。例えば、こちらの美味しい就寝前の軽食アイデアを参考にしてください。
- 水分補給は大切ですが、水分の摂取量には注意:脱水は睡眠の質を低下させる可能性があります。就寝直前に水を大量に飲むのも同様です。就寝時刻の30分以内には水分摂取を避けましょう。喉が渇いている場合は、少量ずつゆっくりと飲んでください。これで夜中にトイレに起きずに眠れます。
- 消化のために2〜3時間を確保する:一般的に、消化器系は日中の方が効率的です。夕食は就寝の2〜3時間前に食べることを目指し、体が食事を消化し始める時間を確保しましょう。
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