- なぜ眠る時に片脚を曲げているのでしょうか?横向きとうつぶせの姿勢を組み合わせて、片脚を胸の方に引き寄せ、もう片方の脚を伸ばす「片脚曲げ」または「フリーフォール」と呼ばれる寝姿勢は、安定感があり、体温調節をサポートできます。
- 寝ている間にこのような姿勢になるのは、体格、痛みや病状、寝返りが多い、あるいは体温調節の必要性など、さまざまな要因が考えられます。
- Oura Ringは、睡眠段階、体表温の傾向、動きを追跡することで、睡眠をモニタリングし、最適な方法を見つけるのに役立ちます。これを利用して、他の寝姿勢を試して睡眠の質を向上させることができます。
寝る時の姿勢の好みは人によってさまざまです。NCBIの研究によると、人口の大多数(54.1%)が横向きの姿勢を好んでおり、習慣的に仰向けで寝ている人はわずか7.3%に過ぎません。
うつぶせ寝の姿勢のひとつに、「フリーフォール」ポジションと呼ばれる、片脚を曲げた姿勢があります。この姿勢に心当たりのある方もいるかもしれません。
メンバー向けヒント:Ouraは、体表温の傾向や睡眠時の微細な動きなど、体全体のさまざまな要因を追跡することで、睡眠パターンをモニタリングできます。 |
片脚を曲げた寝姿勢とは?
この片脚を曲げるポーズは、うつぶせ、あるいは左右どちらかに体を少しねじり、片脚を曲げて胸の方に引き寄せ、もう片方の脚は下に伸ばした状態です。助走をつけて飛び上がっているようにも見えますね。両腕は脇に置くか、体の下、あるいは枕の下に入れて頭を支える位置にあります。
それでは、なぜこのような寝姿勢が好まれるのか、なかなかぐっすりと眠れない時に何をすればよいか、またOuraを活用してどのように睡眠の目標を達成できるのかを見てみましょう。
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眠っている時に、片脚を曲げて胸の方に寄せている理由
横向きとうつぶせを組み合わせたこのハイブリッドな寝姿勢は、両方の特徴を兼ね備えています。完全にうつぶせになり片脚を曲げて頭の方に寄せていることもあれば、もう少し体をひねって半うつぶせになり、肩がマットレスについていることもあります。この姿勢では大抵、片腕も曲げなければいけません。「欲しがり屋」ポジションと似た姿勢です。
このような寝方を選ぶ理由はいくつかありますが、その人個人の理由もあれば、睡眠環境にもよる場合もあります。
ベッドの長さより背が高い
特に背の高い人は、ベッドや掛け布団からはみ出てしまう気持ちがわかるかもしれませんね。はみ出た手足が冷たい空気に当たるのを避けるために、おそらく、脚を曲げて保温性を確保しながら寝ることを学んだのでしょう。
これが功を奏していると感じるかもしれませんが、この角度は体のねじれた部分や曲げた部分に不要な負担をかけているかもしれません。大きなベッドの購入とはいかなくても、大きめの掛け布団の購入や、夜間に全身を覆えるように毛布を増やすことを検討しましょう。
痛みや病気の可能性
体は気まぐれなもので、意図していなかった理由で痛むこともあれば、まったく理由がないのに痛むこともあります。関節痛や筋肉痛に悩まされている人は、これらの痛みを和らげる寝姿勢になっているのかもしれません。
あるいは、周期性四肢運動障害(PLMD)と呼ばれる疾患を患っている可能性もあります。この疾患は時間とともに高血圧のリスクを高める可能性があります。PLMDは通常、腰から下の下肢にのみ発症します。ドイツで行われた研究によると、罹患している成人の4~11%で、最も多く見られたのは足や膝への症状です。これは、オフィスワーカーやトラック運転手など、日中座っていることが多い人を対象に行われた調査でも同様です。膝を長時間曲げたままにしておくと、体の健康に弊害が生じる可能性があります。
寝ている時にじっとしていられない
片脚を曲げた状態で体の面積を広くすることで、寝ている時に安定感が得られます。寝返りが多い人や、少し傾斜をつけないと眠れない人、体重の重いパートナーとベッドを共有する人は、片脚を曲げることで体重を分散させ、ベッドで移動してしまわないようにすることができます。
体温調節の必要性
脚を曲げていると、四肢が互いに重なり合わないので、体全体の熱がより均等に分散され、体温調節がしやすくなります。また、湿疹に悩む人や汗っかきの人にとっては、肌と肌が触れ合う感覚はとても不快なものです。ベッド全体に手足を広げれば、より快適に眠れます。
体温の傾向には、外の天気だけでなく、さまざまな要因が影響します。例えば、体温の急な上昇は、病気になりそうな状態、あるいは月経周期の後半に入ったということかもしれません。
メンバー向けヒント:Ouraのテクノロジーは、一日を通して体表温がどのように変化するかを記録し、体内の健康状態の把握に役立つインサイトを提供します。 |
片脚を曲げて寝ることのメリットとデメリット
脚を胸の方に引き上げて寝るのは確かに快適ですが、それに伴う問題も考えられます。このポーズのメリットとデメリットを見て、あなたにとってよく眠れる方法を判断してみましょう。
メリット
- いびきの軽減:片脚を曲げて寝る場合、横向きかうつぶせで寝ることが多くなります。これにより、いびきをかく人の多くが苦しんでいる睡眠時無呼吸症候群など、仰向けの寝姿勢に伴う問題を軽減することができます。
- 気道の確保:横向きからさらに体を回転させた半うつぶせの体勢は、気道を妨げないように最適な姿勢を保つ、救急の回復体位を連想させます。これにより、一晩中空気の流れを確保できるので、よりぐっすりと眠れます。
- 慣れた姿勢:片脚を胸の方に曲げた寝姿勢は、胎児の姿勢で寝るのと似ています。研究によって、この姿勢は睡眠障害の影響を軽減することがわかっており、最も快適で安全な寝姿勢のひとつと考えられています。
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デメリット
- 股関節と背中の痛み:半うつぶせで寝ると、骨盤の位置がずれるため、腰痛が悪化したり、筋肉に負担がかかったりします。
- 首の痛み:加えて、うつぶせ寝では首を横に向ける必要があります。少し横向きになるというよりも、完全にうつぶせで片脚を曲げて寝ている場合、呼吸をするために首を相当な角度に回す必要があるため、首の筋肉に負担がかかります。また、もともと何らかの肩の痛みがある場合は、悪化する可能性もあります。最初は快適かもしれませんが、持続可能な姿勢ではありません。
- しびれ:長時間ずっと極端に脚を曲げていると、足の血流が悪くなります。そのため、朝にはしびれていたり、感覚がなかったりする可能性があります。
- スペースの問題:結局のところ、片脚を引き寄せて寝るのは場所を取ります。パートナーとベッドを共にしている場合には支障が出て、パートナーだけでなく、あなたの睡眠の質も低下させる可能性があります。
- 体の圧迫:うつぶせで寝ると胃が圧迫され、胸やけや胃酸の逆流を悪化させる可能性があります。
片脚を曲げて快適に眠るための6つのヒント
生涯の睡眠習慣を一晩で変えるのは、ほぼ不可能です。それに、寝ているときは自分の体をほとんどコントロールできないため、意識的に寝る姿勢を変えるのは簡単ではありません。その結果、ある一定の向きで眠り続けるために物理的な仕切り壁を設けなければならないかもしれません。
ここでは「片脚を曲げる」姿勢をうまく作り、快適さを損なうことなく、より持続可能な寝姿勢にするために役立つ6つのヒントをご紹介します。
1. 枕を活用する
PLMDに悩まされ、夜中に寝返りが多い人は、枕で支えを作ってみましょう。膝の間に何かを挟むことで、寝ている間の体を安定させ、骨盤にかかる圧力を取り除くことができます。さらに、寝ているときに手足が重なるのが不快だという方には、脚と脚の間に隙間を作ることができます。
あるいは、血行が悪い人や、夜間にむくみやすい人は、腰と膝の下に枕を入れ、両脚をゆるやかに高くするのも効果的です。
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2. 睡眠スタイルに合うマットレスを探す
よく陥りがちなことですが、ひとつのタイプのマットレスがすべての人にフィットすると思っている人がいます。残念ながら、そうではありません。背中の自然なカーブ、肩幅や胸幅、骨盤の大きさによって、あなたにぴったりのマットレスが見つかるはずです。
柔らかさも色々試してみてください。メモリーフォームのような、体のラインに沿って沈み込むベッドで眠る方が楽ですか?それとも、背中を支えてくれる硬めのマットレスで寝る方が、深い休息が取れる感じがしますか?
脚を胸側に曲げて寝る理由のひとつが安定感だとしたら、マットレスを新しくすることで、全体的な体重分散が改善されるかもしれません。
3.脚を優しく縛る
ハードに聞こえるかもしれませんが、PLMDに対処するもうひとつのテクニックは、ガウンのベルトやスカーフのような柔らかい素材で両脚を合わせて軽く縛っておくことです。これにより、夜中に脚や膝が上がってくるのを防ぎ、痛みを伴う可能性のある体勢にならないように体を慣れさせることができます。
ここで、睡眠の専門家であるMichael Breus博士から、ちょっとした警告があります。「睡眠中に両脚を胸の方に曲げている場合、骨盤の負担が軽減されるため、腰痛持ちの人に効果的な可能性がありますが、片脚だけを曲げると逆効果になる可能性があります。」
4. 左右を入れ替える
現在、右の体側を下にして片脚を曲げる姿勢で寝つきが悪い場合は、左側に変えてみてください。脚の位置を変えなくても、循環器系や消化器系への負担が軽減されるため、睡眠の質が改善できる可能性が高くなります。
5.睡眠衛生を改善する
睡眠衛生とは、寝室を取り巻く環境のことです。寝つきが悪いのは、良くない習慣が原因かもしれません。部屋が明るすぎたり、うるさすぎたり、温度が適切でなかったりすると、これらはすべて熟睡できない原因になり得ます。身の回りの空間を改善すれば、睡眠の質も向上するはずです。
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Ouraで睡眠を追跡
それぞれのテクニックの有効性をテストしたいのであれば、進歩や変化をモニタリングするものが必要です。Ouraの高精度の睡眠段階アルゴリズムなら、睡眠段階の継続時間を追跡することで睡眠の質を常に把握できます。
Oura Ringを着用することで自身のベースラインを確立し、睡眠方法を変えるたびにそれと照らし合わせることができます。人はそれぞれ異なるため、特定の方法が効果的でない場合もあります。明確で定性的、かつ正確なデータを利用すれば、自分にとってできる限り最適な睡眠中のポジションを見つけることができるでしょう。
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