「寝る前の一杯」が習慣になっている方もいらっしゃるでしょう。米国の成人の最大30%が、眠りにつくためにアルコールを使用していると報告しています。また、不眠症の人の67%が、眠りを助けると思い、寝る前にアルコールを飲んでいます。夜の一杯のワインはリラックスできるように感じられるかもしれませんが、実際は逆効果になる可能性があるのです。

アルコールによって早く眠りにつけるかもしれませんが、睡眠の質は深刻な打撃を受けます。睡眠構造の乱れ、心拍数の増加、ストレスホルモンまで、その影響は体のほぼすべての回復システムに波及します。

アルコールが睡眠に与える影響

アルコールは、睡眠、回復、サーカディアンリズムを調節する複数の生理学的システムを妨害します。体内では次のようなことが起こります。

メラトニンを抑制する:アルコールは、「体が眠りにつく時間」を知らせる主な睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を阻害します。メラトニンが減少すると、脳は「今は睡眠の時間だ」と十分に認識できなくなり、その結果、体が回復的な休息に移行するのが遅れる可能性があります。

詳しく見る:知っておきたいメラトニンのすべて

アルコールが睡眠に与える影響

成長ホルモンを減少させる:成長ホルモンは、主に深い睡眠中に分泌され、筋肉の修復、免疫機能、組織の回復をサポートします。アルコールはこの急上昇を鈍らせるため、体は最も回復効果の高い夜のプロセスを逃すことになります。

コルチゾールを上昇させるアルコールは、主なストレスホルモンであるコルチゾールを増加させます。コルチゾール値が高いと、夜間の心拍数が上昇し、心拍変動が低下します。このどちらも回復が不十分になる兆候です。

サーカディアンリズムを乱す:アルコールは脳や肝臓の内部時計に影響を与え、睡眠覚醒サイクルと体本来のリズムの間にずれを生じさせます。そのため、夜遅くに1杯飲んだだけでも、翌日に時差ボケのような状態になることがあります。

利尿作用がある:通常、体は夜間に膀胱を休止状態にさせますが、アルコールで尿意が促されてそれが妨げられ、夜間に何度も起きる原因になることがよくあります。Ouraで睡眠を追跡すると、一晩に何回目覚めたかを確認できます。

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呼吸器系の問題を悪化させる:アルコールは喉や気道の筋肉を弛緩させるため、いびきが増え、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠関連の呼吸障害を悪化させます。

血中酸素量を低下させる: 研究によれば、アルコールによってヘモグロビンの酸素運搬能力が低下して酸素飽和度が下がり、特に呼吸器に既往症のある場合の回復や睡眠の質をさらに妨げることがわかっています。

アルコールについてOuraのデータから明らかになったこと

アルコールは、Ouraが追跡する健康指標にどのように影響するでしょうか?

Ouraのデータサイエンスチームは、2025年1月から10月までの60万人以上のメンバーから集計されたデータを分析し、「アルコール」のタグが付けられた夜と、その周辺のタグ付けのない夜とを比較しました。*その結果が、私たちの多くがすでに知っていることの裏付けになったと同時に、アルコールがいかに問題の多いものであるかが数値化されました。

指標 平均差 変化 (%)
合計睡眠時間 -34.6分 -5.0%
睡眠スコア −6.55 −6.8%
深い睡眠 −5.42分 -5.0%
レム睡眠 −15.26分 −4.2%
浅い睡眠 −13.93分 −1.4%
睡眠効率 −2.28 −2.2%
心拍変動 −10.8 ms −15.6%
安静時心拍数 +4.35 BPM +8.2%
平均心拍数 +5.78 BPM +9.6%

まとめ:

  • 睡眠時間が短くなり、睡眠の質も低下。

  • 夜間、心臓にかかる負担が高い

  • 回復力が著しく損なわれる。

少量のアルコールでも、測定可能なほどの影響が現れます。

詳しく見る:Ouraデータが示すアルコールと睡眠について

飲酒後の一般的な睡眠パターン

Ouraアプリで「アルコール」をタグ付けすると、次のようなことに気づくかもしれません。

  • 入眠潜時が短い(必ずしも良いことではありません!):アルコールの鎮静作用により、体が自然と徐々に睡眠へ移行する過程が妨げられ、入眠までの時間が短くなります。
メンバーへのアドバイス: 入眠潜時は、10〜20分が理想的とされています。5分未満(非常に短い)は過度の疲労(または酔っている場合!)を示しています。一方、常に20分以上かかる場合は、体の睡眠の準備が整っていないか、睡眠障害を起こしている可能性があります。
  • 深い睡眠が増え、合計睡眠時間が減る:飲酒した最初の夜はアルコールの影響で深い睡眠が増えることがありますが、合計睡眠時間は短くなります。
  • レム睡眠(急速眼球運動睡眠)が遅く現れる/短くなる:アルコールは、最初のレム睡眠サイクルを大幅に遅らせます。飲酒すると合計睡眠時間が短くなり、レム睡眠は睡眠サイクルの後半に多く現れるため、結果としてレム睡眠の合計時間が減少するというわけです。
  • 夜間の覚醒時間と落ち着かない状態が増える:アルコールは膀胱に影響を与えるため、トイレに行く回数や覚醒回数が増えます。
  • 睡眠の断片化:アルコールは夜の後半に影響を及ぼす可能性が高く、合計睡眠時間が減り、さらに睡眠段階の進行を妨げることがあります。

この影響に深夜の他の選択肢、たとえば、深夜の脂っこいピザの一切れなどが加わると、さらに体表温が上昇し、睡眠を妨げます。

アルコールによる睡眠への影響を和らげる方法

アルコールが睡眠に与える影響

必ずしもアルコールを完全に断つ必要はありません。その代わり、体の反応を理解するためにデータを活用し、次に示す回復を促す調整を試してみてください。

1. 飲酒時間を適切に:就寝の少なくとも3時間前には飲酒を切り上げ、代謝作用でアルコールを分解できるようにしましょう。

2. 飲酒の合間に水分を補給する:水は吸収を遅らせ、翌日の回復を促します。

3. 添加物の少ない配合にする:神経系を刺激する糖分やカフェインの入ったカクテルや配合を避けましょう。

4. 追跡して比較する:Ouraアプリで「アルコール」をタグ付けし、コンディションスコアと睡眠スコアをご自身のベースラインと比較して確認してください。

5. 回復を促す:飲酒後に体のバランスを整えるためには、呼吸法、軽い運動、またはサウナが効果的です。

関連記事:飲酒をやめたらどうなる?飲酒を減らすための効果的な6つの戦略

結論:アルコールと睡眠

少量のアルコールでも、睡眠や回復に測定可能なほどの影響を与えることがあります。60万人以上のメンバーのOura Ringデータによると、飲酒により、心拍数の上昇や心拍変動の低下のみならず、体の修復と明晰な思考に極めて重要な深い睡眠とレム睡眠が減少することが示されています。

回復力をあげたい、長生きしたい、パフォーマンスをあげたいなどを目標に掲げている方には、アルコールが実際に体にどのように影響するかを理解するために、Ouraの睡眠追跡が役立ちます。「アルコールを摂取した夜」とベースラインデータを比較していると、飲酒の時間、水分補給、節度などの工夫により睡眠の質や翌日のコンディションにどのような影響があるかが正確にわかります。

結論:1杯のアルコールで眠りやすくなるかもしれませんが、Ouraのデータから、酔っている状態では体が十分に休めないことが明らかに示されています。

よくある質問:アルコールと睡眠

アルコールで眠りやすくなりますか?

アルコールは鎮静剤として作用し、より早く眠りにつくことができます。しかし、睡眠の質が低下し、目が覚める回数が増え、レム睡眠が減少します。

飲酒後に心拍数が上がるのはなぜですか?

アルコールは交感神経の活動を活発にし、コルチゾールを増加させるため、夜通し心拍数が上昇したままになります。

Ouraアプリでアルコールの影響を追跡できますか?

はい。「アルコール」とタグを付け、飲酒後の夜と通常の夜の睡眠および回復データを比較してください。心拍変動、心拍数、睡眠段階の違いが見られる可能性があります。

睡眠に「安全な」アルコール摂取量はあるのでしょうか?

万人に共通する基準値はありません。中程度の飲酒でさえ、心拍変動と深い睡眠を減少させる可能性があります。飲酒を切り上げる時間が早ければ早いほど、影響は少なくなります。

詳しく見る:アルコールに関する6つの通説を覆す

飲酒後の回復にはどのくらいの時間がかかりますか?

回復には個人差がありますが、心拍変動と安静時心拍数は、大量の飲酒後、ベースラインに戻るまでに24〜48時間かかることがあります。

*データは、同一ユーザーの「アルコール」とタグが付けられた夜と、その前日と翌日の比較における平均差が使われています。重複するタグは除外されています。外れ値の影響を抑制する目的で、適用可能な箇所では中央値を採用しています。