心拍変動(HRV)は、回復状況、全体的な健康状態、運動レベルの主要な指標の一つです。 特に心拍変動の傾向は、過去数日間の緊張と休息のレベルが現在の回復状況にどのように影響しているかを反映します。

Ouraアプリには心拍変動バランスと呼ばれる指標があり、Ouraアプリの全般的なコンディションスコアに反映されます。 心拍変動バランスは、自律神経系(ANS)の傾向を長期的に捉えます。 心拍変動のレベルは日によって自然に変動しますが、健康と回復を見る上で重要なサインとなるのが、弾力性のある心拍変動スコアです。 弾力性のある心拍変動スコアとは、一度下がっても回復したり、時間とともに徐々に向上するスコアを指します。

心拍変動は個人差が大きく、心拍変動の範囲は、あなた個人の神経系によって決定されます。 心拍変動の値が大きく振れ、変動の範囲が広いタイプの人もいれば、スコアが一定の人もいます。 心拍変動バランスは、あなた個人のベースラインを基に、あなたにとって最適な心拍変動と比較して現在の調子がどうかを教えてくれます。

詳細はこちら:心拍変動の平均値とは?

心拍変動バランスの計算方法

心拍変動バランスは、あなたの最近の心拍変動の傾向とあなた個人のベースラインを長期的に比較することで計算されます。 具体的には、過去2週間の移動平均を過去3か月のベースラインと比較します。 心拍変動バランスは、心拍変動の変化をより適切に反映するために、最近のデータに重点を置きます。

心拍変動バランスは次の3つに分類されます。

  • 最適 = 最近の心拍変動の傾向はあなたの平均と同じ程度か、それ以上です。通常、これは順調に回復しているサインです。
  • 良好 = 最近の心拍変動の傾向はあなたの平均とは多少異なりますが、良好なレベルを維持できています。
  • 要注意 = 最近の心拍変動の傾向はあなたの平均より低く、心や体に長期的なストレスがかかっている可能性があります。

心拍変動バランスと心拍変動の平均値は、それぞれ異なるパターンを捉えます。 まず、夜間の心拍変動の平均値は、心拍変動の短期的な変化を反映します。これには、病気の兆候、ワークアウト直後の反応、個人の回復状況に短期的な影響を与えるその他の要因といった変化があげられます。

これに対し、心拍変動バランスは自律神経系(ANS)の全体的なバランスを長期的に反映し、 長期的なストレス要因(過度のトレーニング、長引くストレスや何日も続く病気など)のマイナスの影響と、長期的な要素(回復能力、全体的な運動レベルなど)のプラスの影響を捉えます。

心拍変動バランスは、日々のストレスと回復のパターンが数週間にわたってどのようにバランスを取っているかも反映します。 回復よりもストレスの状態にあると、心拍変動が低下する傾向が強くなります。 この押しと反発の最適なバランスが取れていれば、心拍変動は維持されるか、時間とともに改善するでしょう。

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どちらのパターンが重要?

心拍変動バランスは、心拍変動の長期的な目標設定に役立てることができます。 あなたの目標は、全体的な健康状態と運動レベルを改善することで、心拍変動の平均値を徐々に上げることでしょうか? それとも、休息が必要なサインであるバランスの崩れに留意して、心拍変動の低下を事前に防ぎたいとお考えですか?

どのような目標であっても、次のようなパターンには注意しましょう。

心拍変動バランスの低下が示す可能性:

  • 長期的なストレス:長期的なストレスにさらされると、心拍変動の値が徐々に低下することがあります。これは、体が回復のための時間をもっと必要としているサインかもしれません。
  • 病気の影響病気になると、心拍変動が急激に低下することがあります。 症状がなくなっても低迷が続く場合は、体が調子を整える時間をもっと必要としているのかもしれません。
  • 睡眠の乱れ:時差ぼけや睡眠パターンの乱れにより、体にストレスがかかることがあります。 これが長引くと、自律神経系(ANS)にも影響を及ぼす可能性があり、心拍変動の低下として現れます。
  • オーバートレーニング:ハードなワークアウトの後には、心拍変動が急激に下がることがあります。 体が回復するにつれ、心拍変動も戻ります。 心拍変動がベースラインまで回復しない場合は、トレーニングがハードすぎるか頻繁過ぎる可能性があります。 体には回復のための時間がもっと必要なのかもしれません。

詳細はこちら:ストレスを管理するためのリラクゼーション方法

心拍変動バランスが一定、または上昇が示す可能性:

  • 最適なトレーニング:ハードなワークアウトの後などに、心拍変動が急激な低下から自然に回復している場合は、今のトレーニング量に体がうまく対応できているサインです。 長期的に見て、体を鍛えると心拍変動の上昇につながることがあります。

詳細はこちら:心拍変動を基にした効果的なトレーニング方法

心拍変動スコアの変化を見るときの注意点:

  • 心拍変動バランスは、夜間の心拍変動のみに基づいてあなたのベースとなる生理的状態を把握します。 日中の測定値は、短期的なストレス要因を反映する傾向にあります。
  • 心拍変動バランスは平均値に基づいており、心拍変動の測定値の振れ幅が大きい人に対して、より敏感に反応します。
  • 心拍変動は複数の要素に同時に反応することがあるため、変化の原因となったもの(過度なトレーニング、ストレス、長引く複合的な病状など)を特定するのは難しいかもしれません。 スコアを日々チェックして、どのような習慣が最低心拍変動と関連しているかを把握することで、主な原因を突き止めることができるかもしれません。
  • 心拍変動バランスがアプリに表示されるまでには、1週間分のデータが必要になります。

心拍変動は時間とともに移り変わります。スコアをこまめにチェックして、体の状態と照らし合わせてみることが大切です。 心拍変動のバランスが低くても、元気だと感じているなら、体の声に耳を傾けて、健やかな日々を過ごしましょう。