妊娠中にカフェインを完全に断つ必要はありませんが、コーヒー中毒の方は、もう少し賢い代替案をお探しかもしれません。
赤ちゃん、睡眠、あるいは単にイライラを抑えるために、妊娠中でも安全な、あなたの味方(そしてエネルギー)となる、コーヒーの代わりになる飲み物をご紹介します。
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妊娠中、コーヒーを飲んでも大丈夫?
朝、カフェインを補給しないと始まらないという方もご安心ください。妊娠中のカフェイン摂取は制限されているわけではありません。
「多数の女性が、妊娠中に圧倒的な疲労感があり、仕事や日常生活をこなすのに苦労しています」と、Ouraのウィメンズヘルス クリニカルディレクター、産婦人科医のChris Curry先生は語ります。「妊娠中の女性は、怖れてカフェインを控えてしまい、どうしてもカフェインが必要なのに自分自身を苦しめます。カフェインを完全に控える必要はないというのは、嬉しいニュースです。」
朝の一杯は、差し当たり問題ありませんが、過剰は禁物です。 米国産科婦人科学会(ACOG)は、妊娠中の女性のカフェイン摂取量を1日200mgまでと推奨しています。これは約355ml(12オンス)のコーヒーカップ1杯に相当します。また、コーヒーの他に紅茶、チョコレート、エナジードリンク、炭酸飲料などにもカフェインが含まれていることを覚えておきましょう。
摂取量を制限する理由は、カフェインが胎児への血液供給に影響し、胎児の成長を妨げる可能性があるためです。カフェインの大量摂取による流産リスクの影響についての研究結果はまちまちで、大量摂取で流産リスクが増加するという研究もあれば、逆にリスクが増加しないという研究もあります。こういった理由から、多くの女性が妊娠中にカフェインの代わりになるものを探しています。
詳しく見る:カフェインによる睡眠への影響とカフェインが実際に体内に残っている時間
推奨される上限を下回っていても、カフェインを減らしたいと思う理由は他にもあります。
- 睡眠障害:カフェインは、眠気を誘う神経伝達物質であるアデノシンを阻害し、安静時心拍数を上昇させ、入眠しにくかったり、睡眠を維持しにくくなったりすることがあります。
- 不安感や動揺の増大:妊娠中はカフェインの代謝が遅くなるため、カフェインの作用が増幅されて、落ち着かない感じがする、あるいは動悸を感じることがあります。
- 消化器過敏症:カフェインは胃腸を刺激すると知られており、妊娠中によくある症状である胸やけを悪化させる可能性があります。
詳しく見る:Ouraメンバーのデータから見る妊娠中の体の変化
妊娠中に、コーヒーに代わるカフェインレス、またはノンカフェイン飲料
妊娠中にカフェインを控えるとしても、思ったよりも選択肢はあります。以下に紹介するカフェインレスやノンカフェインの飲み物で、イライラせずに朝の一杯を続けられ、リスクもありません。
1.デカフェ
カフェインなしコーヒー(デカフェ)は、コーヒーの風味を楽しみながらカフェイン摂取量を減らす最も簡単な方法のひとつです。
しかし、デカフェのコーヒーには少量のカフェインが含まれており、含有量は加工の方法により異なりますが、通常は約240ml(8オンス)のカップ1杯に約2~15mgのカフェインが含まれています。これはレギュラーコーヒー(240mlカップ1杯あたり平均95mg前後)と比較するとかなり少ないですが、1日の摂取量にカウントされます。
メンバーへのアドバイス:カフェインが睡眠に影響を及ぼしているかどうか、知りたいですか?Ouraアプリで「カフェイン」をタグ付けし、睡眠の質への影響を追跡しましょう。これを定期的に行っていると、カフェインがどのように生体情報と睡眠に影響を与えているかについて、詳細な説明付きの発見を受け取ることができます。 |
2.お茶類
緑茶、紅茶、白茶、ウーロン茶などの伝統的なお茶はすべて、カメリア シネンシスという植物から採れ、さまざまな量のカフェインが含まれています。例:
- 紅茶:約240ml(8オンス)あたりカフェイン~47mg
- 緑茶:約240ml(8オンス)あたり~25-35mg
- 白茶:約240ml(8オンス)あたり~15-30mg
これらのお茶には抗酸化物質や健康へのメリットがありますが、妊娠中はACOGが推奨する1日200mgというカフェイン摂取量制限を超えないよう、摂取量を監視する必要があります。
3.ハーブティー
従来のお茶類とは異なり、ハーブティーはハーブ、花、根、果物から作られており、一般的にはノンカフェインです。ただし、すべてのハーブティーが妊娠中に安全というわけではないため、新しいブレンドを試す前にはかかりつけの医師に確認することが大切です。
一般的に適度であれば安全と考えられているハーブティー:
- ペパーミント:ガス、お腹の張り、吐き気を和らげる
- ショウガ:吐き気を緩和し消化を助ける
- クランベリー:尿路のサポートに使用されることが多い
- ルイボス:抗酸化物質が豊富で、天然のノンカフェイン、タンニンが少なく鉄分の吸収を妨げない
レッドラズベリー リーフティーと併せて飲む場合は注意しましょう。妊娠後期の子宮のサポートのために推奨されることが多いですが、これに関する研究は少なく、医師と相談せずに妊娠初期に摂取することは推奨されていません。
4.オルタナティブ(代替)ラテ
毎日飲むラテをやめることは無理があると感じる場合は、味わい深く、妊娠中でもご褒美の一杯という形で飲める代替品があります。
- チャイラテは、通常は紅茶から作られ、カフェインが含まれています。シナモン、カルダモン、ジンジャー、クローブなど、スパイスのみをミルクや代替乳製品で蒸らしたノンカフェインのチャイブレンドを選べば、カフェインを減らす、あるいは除くことができます。
- ウコンラテはゴールデンミルクとしても知られています。ウコンには、抗炎症作用と抗酸化物質で名高いクルクミンが含まれています。
5.水
脱水症状の最初の兆候のひとつは疲労です。エネルギー不足に悩んでいる場合、まずはコップ1杯の水を飲んでみましょう。
水分補給は常に重要ですが、妊娠中は不可欠です。ACOGは、血液量の増加、消化、羊水産生を支えるために、1日に8~12カップ(1.8~2.8リットル)の水を飲むことを目標にすべきとしています。頻繁にトイレに行き、夜眠れなくなる場合には、1日の遅い時間には水分を制限するとよいでしょう。
水が苦手な人は、ミント、柑橘類、キュウリ、ベリー類、ショウガなどを入れ、清涼感があり飲むのが楽しくなる水にしましょう。
6.抹茶
抹茶は、カメリア シネンシス の葉(伝統的な緑茶と同じ植物)を粉砕して粉末状にした緑茶です。カフェイン含有量は比較的低く、 、1グラムあたりおよそ35~50mgです。抹茶は葉を丸ごと摂取することになるため、急須で淹れた緑茶よりも抗酸化物質の量が多い傾向があります。
適度であれば、抹茶は妊娠中でも安全です。抹茶には次の成分が豊富に含まれています。
- カテキン:酸化ストレスから細胞を保護
- テアニン:眠くならずにリラックスできる
- クロロフィルとポリフェノール:抗酸化作用と抗炎症作用があり、胎児の最適な発達をサポート
しかし、抗酸化物質の中には葉酸を吸収する能力を低下させるものもあります。葉酸は先天性異常(神経管)の予防に重要となるため、医師が適量の緑茶を推奨することが多いです。
7.エネルギーを高めるスムージー
スムージーは栄養豊富で、エネルギーを高めてくれるカフェインの代わりになります。バランスが取れた、特に、食物繊維、健康的な脂肪、タンパク質が豊富な自然食品で作ったスムージーは、コーヒーを飲んだ後に起こることが多い脱力感を起こさず、持続的にエネルギーを供給します。
エネルギーと血糖値の安定をサポートするおすすめのブレンド:
- バナナまたはベリー類:天然の炭水化物と抗酸化物質
- ほうれん草などの葉物野菜::鉄分と葉酸
- ナッツバターまたはチアシード:健康的な脂肪による持続的なエネルギー
- ギリシャヨーグルトまたは粉末のプロテイン:満腹感と筋肉のサポート
8.ホットココア
温かく、ほっとできるものを飲みたいとき、ホットココアはコーヒーに代わる満足感のある(そしてヘルシーな)飲み物で、カフェインの含有もほんの少量(大さじ1杯あたり約12mg)です。ココアは抗酸化物質(赤ワインや緑茶よりも多い)、マグネシウム、フラボノイドなどの栄養素を豊富に含み、セロトニンの生成を自然に刺激し、気分、エネルギー、循環をサポートします。しかし、妊娠後期には適量を楽しむに留めるべきと、研究結果から示唆されています。これは、ポリフェノールを過剰摂取すると、胎児の血液循環に影響を及ぼす可能性があるためです。
無糖のココアパウダーと温めたミルクや水を混ぜて、定番のホットココアを味わいましょう。または加工が少なく、栄養面で優れる生のココアパウダーにアップグレードしても良いでしょう。
9.ケフィア
ケフィアは、低温殺菌されている限り、コーヒーに代わり自然な活力を与えてくれます。低温殺菌されていない乳製品は、食中毒のリスクがあるため妊娠中はお勧めできません。
ケフィアは、タンパク質、プロバイオティクス、ビタミンB群を含む発酵乳飲料で、持続的なエネルギーや消化、栄養の吸収をサポートします。また、天然のプロバイオティクスが腸の健康をサポートし、妊娠中の免疫機能や健康全般に重要です。
妊娠初期にケフィアを摂取すると、早産リスクの低下につながり、またその後の子癇前症のリスクも低下する可能性があると示唆する研究がありますが、これらの効果を確定するにはさらなる研究が必要でです。
メンバーへのアドバイス:OuraのMeals(食事)機能を活用して、自分の選択した食事がエネルギー補給にどれだけ役立っているかを探りましょう。衝動的な食欲やエネルギー不足に負けず、栄養バランスの乱れを見極め、目標に向かって軌道を調整する助けとなります。 |
数字で見るカフェイン:妊娠中に注意すること
カフェインは清涼飲料水やチョコレートバーなど、意外なところに含まれていることに驚くことがあるでしょう。以下の表で、さまざまなスナックや飲料に含まれるカフェイン含有量の目安をご覧ください。
品目 | 標準的な消費量 | おおよそのカフェイン含有量 |
水出しコーヒー | 355ml(12オンス) | 155~240mg(大きく異なる) |
ドリップコーヒー | 240ml(8オンス) | 95~200mg |
エスプレッソ(1杯) | 30ml(1オンス) | 63~75mg |
エナジードリンク(Red Bullなど) | 250ml(8.4オンス) | 80mg |
紅茶 | 240ml(8オンス) | 40~70mg |
抹茶(粉末1g) | 小さじ 1/2から1 | 35~50mg |
緑茶 | 240ml(8オンス) | 25~35mg |
ダークチョコレート(70~85%) | 28g(1オンス) | 23~28mg |
炭酸飲料(コカコーラなど) | 355ml(12オンス) | 30~40mg |
白茶 | 240ml(8オンス) | 15~30mg |
ミルクチョコレート | 44g(1.55オンス) | 9~12mg |
ホットココア(無糖パウダー) | 大さじ1(5g) | ~12mg |
デカフェ | 240ml(8オンス) | 2~15mg |
チョコレートアイスクリーム | 1/2カップ(66g) | ~4mg |
チョコレートチップクッキー(1枚) | 中サイズ1枚(16g) | 1〜2 mg |
ハーブティー(ペパーミントなど) | 240ml(8オンス) | 0mg |
ルイボスティー | 240ml(8オンス) | 0mg |
妊娠中にカフェインなしでエネルギーを高めるボーナスアドバイス
妊娠中に普段よりも疲れを感じるのは正常なことです。妊娠で体に負担がかかっているためですが、幸いなことに、適切な習慣によって体調は大きく変化します。
いつものコーヒーをこれまでに挙げた代用品に替えることだけが、妊娠中のエネルギーを高める方法ではありません。
ここでは、1日を通して自然にエネルギーをサポートする、科学的に裏付けされている4つの方法をご紹介します。
- 体をエネルギーで満たしましょう。妊娠中、特に妊娠中期と妊娠後期には、必要なエネルギー量が増えます。食事を抜くと血糖値が下がり、エネルギーが低下してしまいます。安定したエネルギーレベルを維持するために、複合炭水化物、タンパク質、健康的な脂肪分が混在する、バランスの取れた食事を定期的に取ることを目指しましょう。
- 砂糖を控えましょう。昼下がりの甘いお菓子は、手っ取り早い解決策と感じるかもしれませんが、裏目に出ることが多いです。砂糖を多く含む食品は血糖値の急上昇を引き起こし、その後急降下するため、以前よりも疲れやすくなります。ひとつかみ分のナッツ、ベリー類とギリシャヨーグルト、野菜スティックとフムスなど、ゆっくりと燃焼する軽食に注目しましょう。
詳細を見る:午後にエネルギーがなくなる理由(および9つの解決方法)
- 適宜休みましょう。疲労は妊娠中、特に妊娠初期と妊娠後期によく見られます。頑張らないでください。あなたの体は残業が続いている状態で、十分な睡眠と休息をとることは、ホルモンバランスを保ち、免疫力を高め、エネルギーレベルを調整するために非常に重要です。
メンバーへのアドバイス:15分以上の昼寝はOuraが自動的に検出し、毎日の睡眠スコアに加算されるので、妊娠中に毎日の休息をより包括的に見ることができます。 |
- 体を動かしましょう。ウォーキングやストレッチ、マタニティヨガなど、軽度から中等度の運動をすると、血行が良くなり、疲労が軽減され、気分を高めるエンドルフィンが増加するといった効果があります。10~20分動くだけで、ストレスと戦いエネルギーを変化させることができます。
妊娠中に、コーヒーの代わりになる飲み物:結論
妊娠により、カフェイン摂取の習慣も含め、大きな変化がもたらされることが多いです。しかし、カフェインの摂取量を減らすことは、朝の1杯を諦めることではありません。抹茶、ホットココア、栄養たっぷりのスムージーなど、妊娠中に味わえる、安全かつ満足感のある、コーヒーの代用品となる飲み物はたくさんあります。大切なことは、自分の体に合ったものを見つけ、自然に体のエネルギーをサポートし、自分も赤ちゃんも最高の気分でいられるようにすることです。