よく眠れたか、あるいはよく眠れなかったかを示す多数の指標が簡単に確認できるということは、興味深くあるとともに、不安につながることもあります。実際に、睡眠研究者たちは「完璧な」睡眠へのこだわりを表す言葉として「オーソソムニア」という言葉を作りました。
とはいえ、健康のためには良質な睡眠が不可欠です。では、スコアばかり気にせず、Oura Ringのようなウェアラブルを健康に役立てるためにはどうすれば良いのでしょうか?記事を読み進めて、オーソソムニアについて理解し、よりバランスの取れた、睡眠の質向上のための自分に優しいアプローチを探ってみましょう。
データが多いほどストレスが増える?
テクノロジーの進歩により、Ouraのような健康ウェアラブルは睡眠を分単位まで追跡し、さまざまな睡眠段階を詳しく分析し、心拍数、心拍変動、呼吸数などの指標が全般的な回復にどのように影響しているかを示すことができるようになりました。これまで、このようなデータを得るには医療機関での睡眠検査に頼らなければならず、一般の消費者はアクセスできませんでした。
こういったデータは非常に有用ではあるものの、新たな課題も生み出しています。「数値にとらわれやすくなるのは仕方のないことですが、睡眠に関しては完璧が最終目標ではないことを忘れないでください」と、Ouraの行動科学者であるSofia Strömmer博士は述べています。
「食事や運動と同様に、睡眠に関しても普遍的な「完璧」というものはありません。成人においては7~9時間が一般的な目安ですが、理想的な睡眠時間は日によっても大きく異なります。重要なのは、眠れないことを気にしすぎたり、無理に眠ろうとしたりするのは逆効果であるということです。これにより、自然な睡眠に必要なリラックス状態とは逆のストレス反応が活発になってしまいます」と、Strömmer博士は指摘します。
オーソソムニアとは?
リード研究者を務めるKelly Glazer Baron博士は、画期的な2017年の研究で、「オーソソムニア」という用語を考案しました。これは「オーソ(まっすぐ、正しい)」と「ソムニア(睡眠)」をかけ合わせた造語で、「完璧な」睡眠への執着を表しています。オーソソムニアは、睡眠データを気にしすぎることで起こりやすいと言われています。
オーソソムニアは、まだ正式な精神疾患として認められているわけではありませんが、不眠症や睡眠への不安の一因となり得る習慣的なものだと考えることができます。

オーソソムニアの一般的な兆候
チェックリストの決定版はありませんが、専門家らは、睡眠データに対して不健康な執着がある可能性を示すいくつかの危険信号を特定しています。その例をご紹介します。
- 分析しすぎる。起きるとすぐに睡眠データを見たり、1日に何度も確認してしまう。
- データを気にしすぎる。深い睡眠の割合、心拍変動、睡眠スコアなど特定の指標に過度にこだわり、これらが理想的でないとストレスを感じる。
- 睡眠不足の自己診断。自分で感じる眠りの質が良好または平均的であるにもかかわらず、トラッカーのデータのみに基づいて、不眠症や睡眠不足であると結論付けてしまう。
- 日中の不調をデータのせいだと考える。イライラ、判断力の低下、不安感の他の要因を考慮せずに、睡眠不足が原因だと考えてしまう。
睡眠トラッキングに対するOuraのアプローチ
Ouraは異なる哲学を持っています。データは、あなたを批判するものではなく、寄り添うものであるべきだと私たちは考えます。ですから、深い睡眠が少なかったとしても、それを叱責するようなメッセージは表示されません。その代わりに、Ouraアプリは次の夜に回復のための安眠がしっかり取れるよう、ルーティンや行動を優しくガイドします。この思いやりのあるアプローチにより、睡眠データとのより健全な関係が育まれていきます。
Ouraの科学担当上級副社長、Shyamal Patel博士は次のように説明しています。
「スクリーンに頼らない控えめなリングのデザインから、アプリでのインサイトの表示方法まで、私たちが目指しているのはノイズを減らすことで、ノイズを増やすことではありません。完璧さよりも前に進むことに焦点を当て、メンバーが自分の体とより深く、より直感的なつながりを築けるようサポートしています。Ouraのインサイトは、個人のベースラインに基づいているため、緊張状態や病気の初期兆候などの重要な変化を捉え、適切なタイミングで意味のあるガイダンスを提供することができます。思いやりをもって提供された知識は、負担にならずに力を与えることができると信じています。」
さらに、Ouraは人を第一に考える役立つインサイトと最先端の科学を組み合わせることに全力で取り組んでいます。Ouraのユニークで力をもたらす睡眠トラッキングの特徴を見てみましょう。
- 信頼できる精度。2年以上にわたる信頼性の高い研究から生まれた最新の睡眠段階アルゴリズムは、ウェアラブルによる睡眠トラッキングの新たな基準を打ち立てています。Ouraのアルゴリズムは複数の生体情報(動き、体表温、心拍数、心拍変動など)を活用しており、4つの睡眠段階の分類において、最高基準の睡眠ポリグラフィー検査(PSG)と79%の一致を達成しています。つまり、根拠の欠ける否定的な解釈を排除した、正確なデータを得ることができるのです。
- 思いやりのあるインサイト。Ouraのインサイトは、人を第一に考えるアプローチを採用し、メンバーにご自身のデータが何を意味するかを提示します。「大丈夫、あなたなら乗り越えられます!」といったリマインダーを提供することで、落胆させるのではなく、力を与えることを目指します。
- 完璧がゴールではない。 私たちの目的は、メンバーに自分に優しく接する大切さを思い出してもらうことです。完璧な人などいませんし、毎晩、安眠できなくても問題ありません。つまり、私たちは「良好」が皆さんの新しい「最適」になることを願っているのです。
Ouraのインサイトメッセージは、睡眠のパフォーマンスに対して思いやりのあるアプローチを取り、「きっと乗り越えられる」とメンバーを励まし、ペースを整え直すための優しいヒントを提供します。
スコアを超えて、睡眠データをスマートに活用する3つの方法
Oura Ringはパワフルなインサイトを提供しますが、睡眠の質はさまざまな要因によって影響を受けることを覚えておいてください。データは堅苦しいルールではなく、役立つガイドとして活用しましょう。
1. 色々な習慣や方法を試してみる
睡眠データは、あなたの睡眠パターンを垣間見るものとして捉えるべきだとOuraの専門家は言います。Ouraを使用すると、特定の行動、習慣、ルーティンが睡眠の質をどのように向上、あるいは低下させるかが把握できるようになります。例えば、朝日を浴びると早く眠れるようになるか、就寝前の瞑想や読書、ジャーナリングなどのリラクゼーション法が睡眠の改善に役立っているかを判断することができます。
メンバー向けヒント:Ouraのタグ機能を使用してアクティビティを記録すると、傾向で習慣と睡眠の質の長期的な関連性を見ることができます。これを活用して、ご自身にとってベストな安眠のコツを見つけましょう。 |
2. 眠れない時間を別のことに使う
眠りにつこうと、天井を見つめても不安は募るばかり。眠れない時には、ベッドから出て本を読んだり、気持ちがほっとするテレビ番組を観るなど、静かな活動を選ぶのがお勧めです。スクリーンを見る場合は、「ナイトモード」が有効になっていることを確認し、ブルーライトの影響を最小限に抑えてください。
メンバー向けヒント:Ouraメンバーは、Ouraアプリの探索コンテンツで眠りを誘う瞑想やおやすみ前のストーリーにアクセスできます。 |
3. 夜だけでなく日常も最適化する
「良質な睡眠は、バランスの取れた思いやりのある生活からもたらされます」と、Strömmer博士は説明します。「仕事、家族、趣味、運動、家事などを両立させることに日々追われ、そして、唯一ある自分の時間に好きなテレビ番組を観て夜更かしをしてしまう。これでは、良質な睡眠が遠ざかっていくのも当然です!」
日中のストレスを減らす方法を1週間、意識的に探してみましょう。それが夜の睡眠に与える影響の大きさに驚くかもしれません。
メンバー向けヒント:Ouraアプリで、昼寝、マインドフルネス、その他のリラクゼーション法などによる修復時間をトラッキングして、日中の修復が全体的なウェルビーイングと睡眠の質をどのように高めるかを確認できます |
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